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新たな顧客獲得を目指す「販路開拓」 ⑤

 こんにちは、中小企業診断士の土肥です。

 販路開拓の第5回目です。本日のテーマは昨日に引き続き「商圏とビジネスモデル」がテーマです。


  「長期取引or短期取引」 に関して説明します。この場合の長期と短期とは自社のビジネスモデルにおいて、お客様と一定の期間安定して継続的にサービスを提供するのか、それとも単発のサービスを提供するのかということです。言いかえるなら常連さんを相手にするのか一見さんを相手にするのかの違いです。


 直感的に長期取引が事業者様の経営の安定のために有利であることすぐに分かります。確かに短期の取引ばかりでは繁閑の波が激しく経営が安定しないのは想像に難くありません。しかし常連さんだけにサービスを提供していて本当に良いのでしょうか?常連さんも様々な理由で一定の確率で減っていきます。常連の取引先が減っていく福井県内の最も大きな理由は2つあると考えてます。


① 国内の人口減少・・・日本の人口は2009年を境に減少に転じました

② 人口の首都圏への一極集中・・・福井県内でも毎年数千人単位で人口が流出しています


 自社の経営においても徐々に常連顧客が減り続けている事業者様が多いのではないでしょうか。これは私達コンサル業界でいう「茹でガエル現象」といわれるものです。茹でガエル現象とは「2匹のカエルを用意し、一方は熱湯に入れ、もう一方は緩やかに昇温する冷水に入れる。すると、前者は直ちに飛び跳ね脱出・生存するのに対し、後者は水温の上昇が分からず死亡する」というもの。


 およそ人間は環境適応能力を持つがゆえに徐々に変わる環境変化には、それが致命的なものであっても、受け入れてしまう傾向が見られる。例えば業績悪化が危機的レベルに迫りつつあるにもかかわらず、状況打破ではなく環境適応に執着する企業はこれにあたります。


常連顧客の維持コストと一見さんを獲得するコストの比率は1対5とも1対10ともいわれています。それだけ常連さんの存在というものは有難いものです。常連と自社の厚い信頼関係が築けたため長期の取引関係が成立しています。しかし一見さんを獲得するためのアクションを起こさなければ事業規模は縮小していきます。肝心なのはバランスが大事だということです。


今回はここまでです。ありがとうございました。


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